企業の成長と競争力強化には、社員のビジネスマナーが不可欠です。しかし、多くの企業が効果的な社会人マナー教育に課題を抱えています。
この記事では、研修担当者や経営者の皆様に向けて、社会人マナーの重要性と具体的な指導ポイントを一覧で解説します。
社員のマナー向上が企業価値を高める鍵となる今、この記事を通じて効果的な研修戦略を構築し、組織全体の成長につなげていきましょう。

監修者:岩城成弘(いわしろ あきひろ)
スターバックスコーヒーやウォルト・ディズニー・ジャパンでの豊富な実務経験を活かし、日本全国の企業や教育機関などで、ホスピタリティ研修を開催している。特に、ディズニー流の「おもてなし」を基軸にした、企業のブランド価値を高める研修が人気。実践的かつ成果につながる指導が、多くの企業から高い評価を受けている。
社会人マナーが企業にもたらす価値

社員一人ひとりのマナーは、企業の評価や成長に直結します。適切なマナーを身につけた社員は、顧客や取引先との信頼関係を構築し、企業イメージの向上に貢献するでしょう。さらに、社内のコミュニケーションを円滑にし、生産性の向上にもつながります。
一方、マナー意識の欠如は、顧客からのクレームや取引先との関係悪化を招き、企業の成長を妨げかねません。そのため、社員のマナー研修への投資は、企業の持続的な発展において重要な要素となります。
【基本のマナー一覧】社会人なら知っておきたいポイント

社会人として基本的なマナーを身につけることで、相手に好印象を与え、信頼関係を築くきっかけになります。これから紹介する5つの基本マナーは、ビジネスパーソンとして必須のスキルです。ひとつずつ確認していきましょう。
1. 挨拶のマナー:第一印象を劇的に変える
適切な挨拶は、ビジネスにおける好印象の決め手となります。「おはようございます」「こんにちは」に加えて、相手の名前や用件を添えることで、より丁寧で印象的な挨拶となります。
例:「〇〇様、本日はお会いできて光栄です」「いつもお世話になっております。本日は〇〇の件でご相談に参りました」
明るい声のトーン、適度な笑顔、アイコンタクトを心がけることで、相手との良好な関係構築につながります。
2. 言葉遣いのマナー:適切な敬語で好印象を与える
ビジネスシーンでは、尊敬語・謙譲語・丁寧語を状況に応じて使い分けることが重要です。相手への敬意を示しつつ、適切な距離感を保つことができます。
例えば、「〇〇させていただきます」という過剰な丁寧表現は避け、「〇〇をいたします」を使用します。許可を得る必要のない場面では、シンプルな表現を心がけましょう。
バランスの取れた敬語の使用は、円滑なビジネスコミュニケーションの基本です。
3. 身だしなみのマナー:清潔感のある装いで信頼感を高める
身だしなみは、ビジネスにおける第一印象の重要な要素です。清潔感のある髪型・服装に加え、業種や訪問先に適した装いを選びましょう。
例えば、金融業界では一般的にスーツ着用が求められますが、IT企業ではビジネスカジュアルも許容される場合があります。靴や鞄などの小物の手入れも、プロフェッショナルとしての印象を左右する大切なポイントです。
4. 時間管理のマナー:時間厳守で信頼関係を構築する
時間厳守はビジネスにおける信頼の基盤です。会議やアポイントメントには、5分前到着を心がけましょう。遅刻する場合は、迅速かつ正確に連絡することも大切です。
適切な連絡例:「申し訳ございません。電車遅延のため、13時15分頃到着の見込みです。」
不適切な連絡例:「すみません!電車が遅れていて…何分遅れるか…」
遅刻時は言い訳や曖昧な表現を避け、到着予定時刻と理由を簡潔に伝えましょう。誠実な対応で信頼関係への影響を最小限に抑えられます。
5. 報連相のマナー:スムーズな情報共有で業務を効率化する
報告・連絡・相談はビジネスを円滑に進める上で欠かせません。報告は事実を正確かつ簡潔に伝えます。連絡や相談の際は、必要な情報を漏れなく分かりやすく伝え、相手の立場に配慮しましょう。
例えば、報告時には「〇〇の件ですが、予定通り完了しました。詳細は資料をご覧ください。」のように、結論から伝えることも大切です。
【場面別マナー一覧】ビジネスシーン別のポイント

ビジネスシーンでは、様々な場面に応じて適切なマナーを実践することが求められます。ここでは、特に重要な5つの場面におけるマナーについて解説します。これらのマナーを身につけることで、ビジネスパーソンとしての信頼感を高め、キャリアアップにも繋がるでしょう。
メールマナー:ビジネスメールで失敗しないための書き方
件名は具体的に、本文は結論から簡潔に記述し、誤字脱字をチェックしましょう。宛名、CC、BCC、署名の書き方にも注意が必要です。
例:
<プロジェクトAの進捗状況をチームメンバー(Aさん、Bさん)に報告し、上司(Cさん)に共有する場合>
宛先(To): Aさん、Bさん
CC: Cさん
<顧客にキャンペーン情報を一斉送信する場合>
宛先(To): 顧客全員
BCC: 顧客全員(または個別に宛先を指定し、BCCに自分自身を入れて送信状況を確認)
適切な宛先、CC、BCCの使い方を理解し、相手に配慮したメール作成を心がけましょう。
電話マナー:会社の印象が決まる電話応対の手順
電話は顧客や取引先が会社と初めて接触する重要な接点、いわば「会社の顔」です。明るくハキハキとした声で、受け方・かけ方、保留、転送といった基本動作を確実にこなしましょう。
丁寧でスムーズな応対は顧客との良好な関係構築、ひいてはビジネスの成功を後押しします。逆に、ぞんざいな応対は会社のイメージダウンに直結します。社員一人ひとりが電話マナーを意識することで、会社の信頼感を高め、ビジネスチャンスを広げることも可能です。
訪問マナー:取引先訪問で好印象を与えるための基本
取引先訪問は、ビジネスにおける重要なステップです。訪問前のアポイントメント、時間厳守、適切な服装、入退室時のマナーなど、細部にまで気を配ることで、相手に好印象を与え、ビジネスをスムーズに進めることができます。
さらに好印象を与えるためには、受付での対応も重要です。訪問先の担当者名を名乗り、用件を簡潔に伝えましょう。名刺交換は、相手より先に名刺を差し出し、相手の名刺は丁寧に受け取りましょう。
会議マナー:円滑な会議進行のためのポイント
会議を効果的に進めるには、参加者全員の適切なマナーが不可欠です。資料の事前確認、携帯電話の電源オフ、時間厳守といった基本的なルールを守ることが最低限のマナーです。
発言は簡潔かつ建設的に、他者の意見にも耳を傾けましょう。一方的な主張や私語は会議の質を低下させます。全員が会議の目的を共有し、積極的に参加することで、効率的な意思決定と情報共有が実現できます。
名刺交換マナー:ビジネスで第一印象を決めるポイント
名刺交換は、ビジネスのスタートライン。相手に敬意を払い丁寧な対応を心がけ、名刺の受け渡し方、自己紹介、名刺管理までスムーズに行うことで相手に安心感を与え、コミュニケーションをスムーズにする助けとなります。
相手の名刺をもらった後、すぐにしまわずに、会議中はテーブルの上に置いておくのがマナーです。その後は、名刺入れとは別に専用のケースを用意し、日付や会った場所、会話の内容などをメモしておくと、後から見返す際に役立ちます。
社会人マナー研修で社員を成長させ、企業価値を高める
基本的なビジネスマナーの習得は、社員一人ひとりの成長だけでなく、企業全体の評価向上にもつながります。しかし、社内でマナー研修を企画・運営することが、担当者への大きな負担となってしまうこともあるでしょう。
MCSCでは、社会人マナー研修をはじめ、新入社員研修、テーマパーク流人財育成研修など、独自の研修プログラムをご用意しております。お客様の課題に応じたカスタマイズも承っておりますので、貴社の人財育成にぜひご活用ください。