
「指示した内容がうまく伝わらない」
「認識違いによるミスが繰り返される」
そんなコミュニケーションの悩みを抱えていませんか?
職場では、ちょっとした伝達ミスが業務の遅れや人間関係の悪化、生産性の低下につながることがあります。
特に管理職やチームリーダーは、「伝えたつもり」と「理解したつもり」のズレに悩まされやすいものです。
この記事では、コミュニケーションミス(ミスコミュニケーションと同義)が起こる原因と、職場で今日から実践できる具体的な防止策を分かりやすく解説します。
以下の記事では、職場のコミュニケーションを活性化させる方法についても解説しています。具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
コミュニケーションミスの正体|ミスコミュニケーションとは

職場で起こるミスコミュニケーションの多くは、単純な伝達不足だけが原因ではありません。
実際には、送り手と受け手の認識のズレや、価値観・経験の違いが大きく関係しています。
また、似た言葉にディスコミュニケーションもありますが、その意味や原因は大きく異なります。
ミスコミュニケーションとは「伝えた内容が誤解されること」を指し、ディスコミュニケーションは「そもそも意思疎通ができていない・断絶している状態」を指す言葉です。
ディスコミュニケーションは、そもそもの関係性から見直す必要がありますが、ミスコミュニケーションは、会話ができているのに些細な行き違いが発生する状態です。そのため、ちょっとした工夫で防ぐことができます。
ミスコミュニケーションを防ぐためには、職場で起こりやすい意思疎通のズレについて整理していきましょう。
以下の記事で、コミュニケーションの意味・重要性や良好な関係を築くスキルについても解説しています。
具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
送り手と受け手の間に生じる認識のズレ
ミスコミュニケーションの本質は、情報を伝える側(送り手)と受け取る側(受け手)の間で、お互いの理解がすれ違っていることです。
最大の問題は、送り手は正しく伝えたつもり、受け手は正しく理解したつもりになっている点にあります。
双方が完璧だと思い込んでいるため、トラブルが起きるまでそのズレに誰も気づけません。
このお互いの「つもり」の重なりこそが、後になって「言った・言わない」のトラブルや、仕事の大失敗を招く本当の原因になります。
不通を意味するディスコミュニケーションとの違い
ディスコミュニケーションとは、会話や連絡がそもそも全く行われていないという不通(シャットアウト)の状態を指します。
ミスコミュニケーションが、伝えたけれど中身がズレてしまった誤解であるのに対し、ディスコミュニケーションは最初から何も伝えていないという点で大きく異なります。
両者は原因も解決策もガラリと変わるため、いま起きている問題がズレ(ミス)なのか不通(ディス)なのかを、正しく見極めることが大切です。
価値観の相違によるコミュニケーションギャップ
コミュニケーションギャップとは、育ってきた環境や世代、立場の違いなどから生まれる、お互いの常識や価値観のズレを指します。
大きな原因は、自分の当たり前は相手にとっても当たり前だと無意識に思い込んでしまい、自分と同じ捉え方を相手に求めてしまうことにあります。
また、お互いの知識の量や理解力に差がある場合にも、このギャップは起こりやすくなります。
この価値観のズレそのものをミスコミュニケーションと呼ぶことも多く、お互いの背景が違うことを前提に、丁寧に言葉を交わすことが大切です。
コミュニケーションでミスが起こる原因

なぜ、気をつけているつもりなのにミスコミュニケーションは繰り返されてしまうのでしょうか。
その理由は、人間の頭の中にある歪曲、省略、一般化という3つのクセにあります。
この3つのクセは誰もが無意識に行っている情報の処理方法ですが、一歩間違えると相手との間に大きな誤解を生む原因になります。
ここからは、ミスを引き起こす3つの正体について、具体例を交えて詳しく解説します。
以下の記事で、コミュニケーションが苦手な人の原因と対策も解説しています。具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
歪曲|自分の価値観で解釈をねじ曲げる
歪曲(わいきょく)とは、嘘をつくことではなく、受け取った情報に自分の思い込みや過去の経験を付け足して、本来の意味をねじ曲げてしまうことです。
例えば、同僚があなたの話をしていたという事実だけを聞いて、きっと悪口を言われていたんだとネガティブに決めつけてしまうのがこれに当たります。
情報は人から人へ伝わるたびに形が変わりやすいため、会社の連絡網のような伝言ゲームでは、この歪曲が大きなトラブルを引き起こします。
省略|必要な情報を無意識に削る
省略とは、伝える側が大事な詳細を省いてしまい、「あれ」や「例の件」といった曖昧な言葉や、「なるべく早く」などの大雑把な表現で指示を出してしまうことです。
情報が足りないと、受け手は残りの部分を自分の予想や都合のいい解釈で埋めるしかなくなります。
その結果、お互いの認識に大きなズレが生まれ、最終的に、思っていた仕上がりと全然違うという失敗や、仕事の遅れにつながってしまうのです。
一般化|自分の常識を相手の常識と決めつける
一般化とは、自分の経験や考え方だけを基準にして、「普通はこうするよね」、「常識的に考えるとこうだよね」と思い込んでしまうことです。
例えば、今週中という言葉に対して、ある人は金曜日の夕方までと考え、別の人は日曜日の夜中までと考えたりします。
このように人によって言葉のイメージが違うことを考えずに、自分のルールを押し通してしまうと、無意識のうちに相手との間に深い溝を作ることになります。
コミュニケーションでミスを防ぐポイントを解説

コミュニケーションのミスが起こる原因が分かったら、次はそれを防ぐための具体的なアクションを起こしましょう。
意思疎通のズレをなくすためには、ほんの少しの工夫と言葉選びのルールを心がけるだけで、誰でも簡単にトラブルを防げるようになります。
ここでは、今日からすぐに仕事や毎日の会話で使える、ミスコミュニケーションを防ぐための3つの重要なポイントを紹介します。
対策①5W1Hと数値で具体的に伝える
5W1Hと数値を用いた具体的な伝達とは、いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように、という要素を意識して、必要な情報を省かずに伝える手法です。
特に、「すぐ」「多めに」といった人の感覚で意味が変わってしまう言葉は避け、「15時までに」「30冊」といった数字を使って誰にでもハッキリわかる表現が有効です。
具体的な数字や期限をきちんと決めておくことで、相手が勘違いするスキをなくし、お互いに同じゴールを目指せるようになります。
対策②復唱(チェックバック)でお互いの理解を確認する
復唱とは、情報を伝えた後に、相手にいまの内容を自分の言葉で言い直してもらうことで、正しく伝わっているかを確認する方法です。
これは医療や飛行機の操縦など、絶対にミスが許されない現場でも使われているとても信頼できる手法です。
「〇〇という理解で合っていますか」と問いかけて、相手に要点を発言してもらうひと手間を加えるだけで、勘違いによる大失敗をあらかじめ防ぐことができます。
対策③記録が残るツールを活用する
口頭だけで話を進めると、後から「言った・言わない」のトラブルに発展しやすいため、メールやチャットなど文字の記録を残すツールがおすすめです。
文字にしておけば、後から読み返して自分の思い違いに気づくことができますし、他の人への共有も簡単になります。
まずは口頭でパッと伝えた用事であっても、後から確認のためにチャットでメモを送っておくことで、確実なコミュニケーションが取れるようになります。
まとめ
ミスコミュニケーションは、送り手と受け手の小さな「つもり」という勘違いの積み重ねから発生します。
自分の常識で情報をねじ曲げたり省いたりせず、5W1Hや数字を使って具体的に伝えること、そして復唱やチャットツールで記録を残すことが、確実な意思疎通に大切なことです。
相手の背景や価値観は自分とは違うということを忘れずに、丁寧なコミュニケーションを心がけて、スムーズな人間関係を作っていきましょう。

