研修テーマのマンネリ化や参加者の反応の薄さにお悩みの人事担当者様も多いのではないでしょうか? 社員のやる気を引き出し、行動変容を促すには「面白い研修テーマ」を設定しているかも重要です。コストをかける以上、社員が前のめりで参加し、学びを深め、現場での行動に繋がるものにしたいですよね。
この記事では、社員の学習意欲を高める「面白い研修テーマ」の事例から、失敗しない選び方や外注時の注意点、よくある疑問への回答まで、研修企画成功のヒントをまとめました。ぜひ参考にしてください。

監修者:岩城成弘(いわしろ あきひろ)
スターバックスコーヒーやウォルト・ディズニー・ジャパンでの豊富な実務経験を活かし、日本全国の企業や教育機関などで、ホスピタリティ研修を開催している。特に、ディズニー流の「おもてなし」を基軸にした、企業のブランド価値を高める研修が人気。実践的かつ成果につながる指導が、多くの企業から高い評価を受けている。
なぜ「面白い研修」が求められているのか

変化の激しい現代、企業の持続的成長には社員一人ひとりが自ら能力を伸ばすことが重要です。しかし、従来の受け身な研修では、学習効果を高めることが難しくなっています。
そこで注目されるのが「面白いテーマのユニークな研修」です。楽しさを伴う学びは、参加者のやる気と集中力を高め、学習内容の定着を促します。また、主体的な参加はコミュニケーションを活性化させ、チームワークを育てます。さらに、魅力的な研修制度はエンゲージメント向上や優秀な人材の確保にも繋がるでしょう。「面白さ」は単なる付加価値ではなく、研修効果を最大化し、企業競争力を高めるための重要な要素になっているのです。
社員が面白いと感じる研修の3つの要素
では、社員はどのような研修を「面白い」と感じるのでしょうか?社員に「面白い」と感じてもらうためには、 以下の3つの要素をバランス良く取り入れることがポイントです。
1. ゲーム感覚で気軽に学べる研修
研修では、「謎解き」や「ビジネスゲーム」のように、明確なルールやゴール設定、競争、協力の要素を取り入れることで、楽しみながら課題に取り組めます。特にチーム戦はコミュニケーション活性化にも効果的です。誰もが達成感を味わえる難易度設定が鍵となります。
2.やりがい・達成感のある研修
受け身ではなく、自ら考え行動し、課題を解決するプロセスで「やりがい」を感じられることが重要です。チームで難題に挑んだり、アイデアが形になったりする経験は大きな「達成感」に繋がります。成果が目に見える形(制作物やシミュレーション結果など)になると、より充実感が増すでしょう。
3.知的好奇心が刺激される研修
「もっと知りたい!」と思わせる、知的好奇心を刺激する要素も大切です。
たとえば下記のようなテーマは、学習意欲を掻き立てられる魅力的な研修の一例です。
- 意外性のあるテーマ
- 普段触れない分野の知識
- 専門家の興味深い話
「面白そう!」と思わせるタイトルや導入の工夫も効果的です。
社員が夢中になった面白い研修テーマ事例紹介【目的別】

ここでは、目的別に社員が夢中になった「面白い研修テーマ」の事例を簡潔にご紹介します。自社に合った企画のヒントを探してみてください。
チームビルディングを深める面白い研修
チームの絆を深めるには、共に目標達成を目指す体験が効果的です。ゲーム性や非日常体験を取り入れ、楽しみながら協力を促します。
・森林整備研修(サントリーグループ):約6000人が参加する大規模研修。「天然水の森」での共同作業を通じて企業理念を共有し、部署を超えた連帯感やチームワークを育みます。企業イメージ向上にも役立ちます。
・ウォーキング研修(国際自動車グループ):チームで街を歩きながら課題に取り組む体験型研修。徒歩ならではの視点で顧客理解や土地勘を磨き、チームの連帯感を高めます。低コストで実践的な学びと健康増進効果も得られます。
- 謎解き
- 脱出ゲーム料理対決
- スポーツ・アウトドア活動
なども、コミュニケーションや役割分担、問題解決能力の向上に有効です。
表現力向上に役立つコミュニケーション力を磨く研修
円滑な業務遂行に不可欠なコミュニケーション能力を、座学ではなくユニークな体験を通じて磨きます。「伝える力」「聞く力」「協調性」などを伸ばします。
・漫才研修(アップガレージ): プロの指導で漫才作りを体験。人前で話す度胸や創造性、対話を通じたコミュニケーション能力やセールストークの向上に繋がります。達成感も大きいのが特徴。
・しょうゆ作り研修(大和美術印刷):チームでオリジナル醤油の味やパッケージを考案・製造。共同作業を通じてコミュニケーション能力や企画力を鍛え、モノづくりの達成感も得られます。完成品を販促活用する二次効果もあります。ほかにも、以下のような研修も、表現力や対応力、説得力、関係構築力の向上に役立ちます。
- 即興劇(インプロ)
- ストーリーテリング研修
- ロールプレイング
五感を刺激する体験型研修
日常から離れた自然や芸術体験は、心身をリフレッシュする効果に加え、新たな視点や感性を養います。五感を使う日常とは違う体験は記憶に残りやすく、チームのまとまりも高めます。
・温泉リトリート(亀山温泉ホテル事例):自然環境を活かし、カヌー体験や焚き火などを実施。日常とは違う場所でのチームビルディングや心身のリフレッシュを促します。
・劇団四季ライオンキング研修:ミュージカルの世界観から多様性やリーダーシップを学ぶプログラム。本物の舞台に触れる感動体験を通じて、学びを深めます。
ほかにも、以下のような研修が効果的です。
- 農業体験
- 野外調理
- アートセラピー
楽しみながら戦略思考・ロジカル思考を学ぶ研修
ビジネスゲームやシミュレーションなどを通じ、戦略的視点や論理的思考力を実践的に鍛えます。ゲーム感覚で意思決定を体験し、複雑な状況を分析・解決する力を伸ばします。
・ビジネスゲーム研修(ノビテク提供):財務諸表を読む力をゲーム感覚で楽しく習得。専門知識がなくても実践的に財務感覚(戦略的意思決定の基礎)を養えます。
・マーダーミステリー研修(IKUSA提供):物語の登場人物になりきり推理するゲーム。
ほかにもケーススタディやデータ分析ゲーム、クリティカルシンキング討論会なども、経営視点で問題を解決する力の習得に有効です。
様々な事例をご紹介しましたが、最適なテーマは、企業の課題や文化、参加者によって異なります。
「どれが自社に合うテーマかわからない」とお悩みの方は、ぜひ研修のプロにご相談ください。
” 失敗しない ” 面白い研修テーマの選び方3ステップ

魅力的な研修テーマを選ぶためには、単に「面白いかどうか」だけでなく、目的や課題を明確にすることや、興味を引く仕掛けを作ることが重要です。ここでは、失敗しないための3つのステップをご紹介します。
1. 目的・課題の明確化
「何のために研修を行うのか?」の目的(新人の早期戦力化、リーダーシップ向上など)と、「現状の課題」(主体性の欠如、連携不足など)を具体的に特定します。「面白そう」といった感覚だけでテーマを選ばず、必ず目的・課題と紐づけましょう。
2. 参加者の興味を引く「仕掛け」の作り方
次に「誰が参加するか?」(年齢、役職、興味など)を考慮し、その特徴に合った内容や「仕掛け」を考えます。ゲーム的な要素(ポイント制等)、ストーリーテリング、体験学習、テクノロジー活用(VR等)といった手法で、「自分ごと」として取り組める工夫を凝らし、研修効果を高めます。
3. 研修会社の活用で企画をスムーズ化
面白い研修の企画・運営には専門知識やノウハウが必要な場合もあります。自社リソースで難しい場合は、研修会社への外部委託が有効です。豊富なプログラム提案、カスタマイズ、プロ講師による進行、企画・運営の手間削減といったメリットがあります。
研修を外注する際の注意点

研修の外部委託を成功させるには、信頼できるパートナー選びが重要です。研修会社を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 自社の課題に関する実績
- 講師の専門性
- 要望への柔軟な対応力(カスタマイズ力)
- 費用対効果
- 担当者との相性
契約・実施時には、最終費用、研修内容の目的適合性、受講者の日程・負担などをしっかり話し合うことが大切です。適切なパートナーとの連携が研修効果を最大限に高める鍵となります。、研修の日程などをすり合わせることが重要です。
面白い研修テーマでよくある悩みと回答
ここでは、研修テーマを検討する際によくいただく質問にお答えします。
面白い研修は「ふざけている」と思われませんか?
「面白さ」と「目的」のバランスが重要です。目的や対象者、企業文化に合ったレベルを選び、研修冒頭で研修の目的や、この形式で研修を行う理由を明確に伝えましょう。「楽しさ」はあくまで目的達成の手段であることを説明します。
保守的な上司にどう理解を得る?
「面白いから」ではなく、具体的な「効果・メリット」をデータや事例で示しましょう。「エンゲージメント向上」「スキル定着率アップ」「離職率低下」など経営指標と結びつけ、費用対効果を説明します。まずは小規模な試行か始めるのも有効です。
少人数・オンラインでも実施できる?
少人数やオンラインでの開催も可能です。オンラインツール(ブレイクアウトルーム、ホワイトボード等)を活用すれば、オンラインでも双方向性の高い研修が実現できます。工夫次第でオンライン向けのゲームやシミュレーションも取り入れられます。
社内でうまく企画できるか不安
専門知識やノウハウが必要な場合、無理せず外部の研修会社を活用しましょう。企画・運営の負担軽減に加え、プロの視点と進行でより質の高い効果的な研修が期待できます。
面白い研修テーマで研修企画を成功させよう
この記事では、「面白い研修テーマ」の重要性や具体例、テーマの選び方などを解説しました。
変化の時代において、会社の成長のためには、社員の自律的な学びと成長が不可欠です。「面白い研修」は学習意欲と主体性を引き出し、研修効果を最大化するために有効です。マンネリ化を脱却し、参加者が「楽しかった、ためになった!」と感じる研修は、エンゲージメント向上や組織活性化にも繋がります。
ぜひこの記事を参考に、貴社ならではの面白くて効果的な研修を企画・実施してみましょう。
もし企画やテーマ選定にお悩みなら、外部委託もおすすめです。
MCSCでは、豊富な経験とプログラムで貴社の研修効果を最大化させるサポートを提供させていただきます。
研修テーマの選定にお悩みの方は、以下のページをご確認ください。