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雑談力を上げて人間関係を円滑にするトレーニング5選

日常の会話やビジネスシーンにおいて、雑談力は重要です。しかし、会話がぎこちなかったり、話が続かなかったりと、目的もなく話をすることが苦手な方も多いのではないでしょうか。

本記事では、雑談力で重要なポイントや重要な理由について解説し、雑談力を高められる実践的なトレーニングを5つご紹介します。

監修者:岩城成弘(いわしろ あきひろ)

スターバックスコーヒーやウォルト・ディズニー・ジャパンでの豊富な実務経験を活かし、日本全国の企業や教育機関などで、ホスピタリティ研修を開催している。特に、ディズニー流の「おもてなし」を基軸にした、企業のブランド価値を高める研修が人気。実践的かつ成果につながる指導が、多くの企業から高い評価を受けている。

雑談力はなぜ重要?

雑談力は、単に面白い話ができる能力ではありません。雑談力を高めることができると、相手との信頼関係を構築するためのスキルで、人間関係の改善や仕事のパフォーマンス向上に役立ちます。ここでは、雑談力の正体と求められる理由について解説します。

雑談力とは

雑談力とは、親しい間柄かどうかにかかわらず、日常の会話や軽いネタで、間を持たずに円滑に会話を繰り広げられる能力を指します。単にトーク力があるだけでなく、関係性を構築するために求められることもあります。

とくにビジネスシーンにおいては、雑談を通じて相手の人となりを知り、自分のことも知ってもらうことで相互理解が深まり、クライアントや社内での信頼関係の構築に貢献することもあるでしょう。

また、雑談はリラックスした状態で行われるため、会議や商談の前に緊張を和らげるアイスブレイクとして機能するだけでなく、創造的な発想を促し、新しいアイデアを生み出しやすくする一面もあります。

雑談力が求められる理由

雑談は、相手との間にリラックスした心理状態を作り出し、仕事のパフォーマンス向上にも効果的です。

人間関係を構築する際には、まずは相手に信頼してもらえなければいけません。しかし、常に情報交換を目的とした会話ばかりをしていると、緊張感がほぐれず、心理的な距離が縮まらないこともあるでしょう。

雑談は、会話を通してお互いの心理的な距離感を近づけ、リラックスした心理状態を作れます。お互いにリラックスした状態でコミュニケーションが取れるようになると、創造的な発想や新しいアイデアを生み出す効果や、職場の心理的安全性を高め、業務パフォーマンスを向上させることにもつながります。

雑談力は先天的な能力ではなく、日常的なトレーニングで鍛えることが可能なスキルです。トレーニングを通して、雑談力を高めると、さまざまな場面で役に立つでしょう。

雑談力を向上させるトレーニング5選

雑談力は、トレーニングをすることで誰でも能力を高めることができます。ここでは、雑談力の向上に効果的なトレーニングを5つご紹介します。

1、グループワーク

雑談力を高めるには、実践的なグループワークを通じて、相手の状況を察知する観察力や、会話の展開力を鍛えることが効果的です。

具体的なワークの内容の事例として「パントマイム雑談」を紹介します。

パントマイム雑談は、2人1組で行います。ひとりが一言も発さずに口パクで話し、もうひとりが表情や身振り手振りからその内容を感じ取って当てるゲームです。このゲームを通して、相手の反応を読み解く力が向上し、相手を不快にさせない雑談ができるようになります。

また、グループの中で聞き役を決めて、ただ話を聞く時間を取ることも効果的です。まずは意図的に話しやすい身近な人でグループを作り、徐々に関係の希薄な人と話す機会を増やしていくのもおすすめです。

2、交流会に参加する

交流会や社外の集まりといったイベントは、雑談力を意図的に鍛える絶好の機会です。複数人が集まる場で雑談力を高めたい方は、まず聞き役に徹することを意識しましょう。ただ聞くだけでなく、上半身を動かすなどリアクションを大きくする練習をすると、相手に「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というサインを送り、相手に気持ちよく語ってもらいやすくなります。

会話を始める際は、相手の表情や服装、持ち物に対して肯定的な言葉で認識していることを伝え、場を作る訓練も意識しましょう。徐々に慣れてきたら、聞き役に徹するだけでなく、相手の話題に合わせて少しだけ自分の話をすることも意識しましょう。

また、話し相手の年齢や性別に偏りが出ないように意識して、実践機会を増やすことも大切です。

3、ツープラスの実践

雑談がすぐに終わってしまう方には、「ツープラストレーニング」が効果的です。これは、単に挨拶を交わすだけでなく、挨拶の後に必ずふた言(30秒ほどの短い会話)を追加して会話を展開するトレーニングのことです。

たとえば、「おはようございます。今日は良い天気ですね!」や「おはようございます。散髪されたんですね、よくお似合いです!」のように、天気や相手の変化に関する肯定的な言葉を添える意識をすると良いでしょう。ツープラスを意識的に継続することで、雑談力の向上に加え、職場の雰囲気改善にも期待できます。

ツープラスの目的は、会話のきっかけとなる機会を増やし、相手が話しやすい空気を作りつつ、次の話の展開を生むことです。これにより、会話が途切れることなく、スムーズなコミュニケーションを始めやすくなるでしょう。

とはいえ、初対面の人にいきなり実践するのは難しい場合もあります。まずは話しやすい人から意図的に実践し、短い会話のキャッチボールに慣れていくと良いでしょう。

4、インタビュー

雑談力を高めるうえで不可欠な「傾聴力」や「展開力」を磨くには、質問技法を学ぶインタビュー形式のトレーニングが有効です。

インタビューの際には、まず会話のきっかけを作り、相手の警戒心を解くために、回答を限定するクローズドクエスチョン(イエスノーで答えられる「お昼は食べましたか?」などの質問)から入ります。

その後、徐々に会話が弾んできたら、オープンクエスチョン(5W1Hで「なぜ?」「どうして?」などの質問)に切り替えて、相手の考えやより広い情報、意見を深掘りしましょう。

一流のビジネスパーソンは、雑談を通じて上手に情報収集を行い、商談を有利に進めています。質問する際は、尋問の雰囲気を出さないよう、自分の話を少し加えてから質問すると、相手も答えやすくなります。

ただし、インタビューが苦手な方もいることも理解しておきましょう。常に相手の非言語的なサイン(表情やしぐさ)を観察し、心地良い対話を意識することが重要です。

5、ネタ帳を作る

雑談を途切れさせないためには、相手との共通点を見つけるのも効果的です。同じ話題で盛り上がれば、一気に心の距離を縮めることができるでしょう。

相手との共通点を生み出しやすくするためには、多種多様な話題の引き出し(ネタ帳)を日頃からストックしておくことも効果的です。事前に相手の情報がわかっている場合は、相手の興味がありそうなネタを仕入れていくこともできます。

しかし、相手の情報がまったくわからない場合は、雑談の相手がどのトピックに興味を持つか分かたないため、広く浅く、幅広いジャンルの情報を収集しておくと雑談が続きやすくなります。

雑談のネタに役立つ情報の目安は、「きどにたちかけし衣食住」を意識すると効率的です。「きどにたちかけし衣食住」とは、多くの人が興味を持ちやすいジャンルのことで、以下の情報を指しています。

  • き:気候・天気
  • ど:道楽(趣味・テレビ・映画・スポーツ・音楽)
  • に:ニュース
  • た:旅・旅行
  • ち:知人・知り合い・友人 / て:天気 (※ソースにより表記が異なる)
  • か:家族
  • け:健康
  • し:仕事
  • 衣:ファッション
  • 食:グルメ
  • 住:住まい・出身地

より雑談を盛り上げるには、実体験が重要です。リアリティと面白みを持たせるため、ネットの口コミだけでなく、話題の店やスポットを自分自身の足で確かめに行く実践的な情報収集も有効です。知識や経験のストックが増えることで、どんな状況でも自然に会話を始められるようになり、雑談の幅が格段に広がります。

雑談するときの注意点

雑談での最大の注意点は、どちらかの話題に偏りすぎないことです。

会話は相互理解を深める場であり、自分の話ばかりに一方的に偏ったり、相手の反応を無視して一つの話題を引っ張り続けたりすると心理的な距離が近づきにくくなります。常に相手の非言語的なサイン(表情や身振り手振り)を観察し、興味がないと感じたらスムーズに別の話題に切り替えましょう。

また、人間関係を円滑にするため、避けるべき話題を意識することが重要です。意見が対立しやすい話題や、不快感を与える可能性のあるテーマは避けたほうが良いでしょう。とくに初対面の方との会話で避けるべき話題は、以下のとおりです。

  • 政治
  • 宗教
  • 暗い事件
  • 体型や見た目について

雑談の場では、本題と異なり結論を求めすぎないことも大切です。緊張感や上から目線な印象を与えないよう、相手の意見や感情を自由に表現できる環境を提供しましょう。できるだけ否定的な言葉(「でも」「しかし」)を避け、同調の言葉を心がけることも円滑な雑談をするうえで重要です。

雑談力トレーニングでは聞く力を高めることが大切

雑談力とは、単なる「上手な会話力」ではなく、「関係性を構築する力」のことです。とくにビジネスシーンにおける信頼関係の構築において、雑談力は重要なスキルと言えるでしょう。

雑談力をトレーニングする際には、聞く力が重要です。雑談力が高い人は、例外なく聞き上手であり、自分の話に偏ることなく、相手の話に真摯に耳を傾けます。

トレーニングでは、単に聞くのではなく、相手が心地よく過ごせる空気感を作ることを意識しましょう。相手が気持ちよく話せる環境を作ることが、相互理解を深め、円滑なコミュニケーションを生み出します。まずは「聞き上手」を目指すことが、雑談力向上への一番の近道です。

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