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好きなことを、人に説明してみる|楽しさの理由が学びになる

岩城成弘の本人写真と「好きなことを、人に説明してみる」の見出し。楽しさの理由を学びにつなげるMCSC公式ブログ。
岩城成弘の本人写真を使用した公式ブログのアイキャッチ。原本を使用し、見出しを配置しています。

好きなことはあるけれど、「何を勉強したいですか」と聞かれると、少し考えてしまう。そんなとき、立派な目標を急いで探さなくてもよいのではないでしょうか。

散歩の途中で店先を眺める。本を選ぶ。器の手触りを確かめる。いつもの楽しみの中にも、自分なりに気づき、比べ、選んでいることがあります。それを誰かに説明してみると、好きなものだけでなく、自分が何を面白いと感じているかが見えてきます。

楽しんでいる時間を、すべて勉強に変える必要はありません。ただ、「ここが好き」を少し言葉にしてみる。学びの入口を、そんな小さなところに置いてみませんか。

「何が好き」から「どこを見るのが楽しい」へ

例えば、器を見るのが好きな人が、知人へお気に入りのカップを紹介する場面を考えます。これは説明のための想定例で、講師本人の体験談ではありません。

「器が好きです」だけなら、会話はそこで終わるかもしれません。「この持ち手の形が気になる」「同じ白でも、少しずつ色が違って見える」と続けると、見ているところが具体的になります。聞き手も、「色と形なら、どちらを先に見るのですか」と尋ねやすくなります。

好きな理由を、上手な言葉でまとめる必要はありません。「なんとなく落ち着く」「手に持った感じがよい」でも十分です。その言葉の先に、まだ説明できない面白さが残っていることもあります。

一つだけ、比べてみる

持ち手の形が異なる二つの陶器のカップを木の机で見比べるイメージ。
AI生成の研修・学習イメージです。実在の人物・施設・実際の研修を撮影した写真ではありません。

理由が出てこないときは、全部を説明しようとせず、二つを並べて一か所だけ比べてみます。カップなら持ち手、散歩なら同じ道の朝と夕方、本なら読み始めの一段落。何が違うかを自分の言葉で挙げます。

「こちらが優れている」と順位をつけるためではありません。「こちらは軽く感じる」「この時間は人の声より鳥の声に気づく」など、自分が見たり聞いたりしたことを見つけるためです。思い込みと観察を分けるなら、「そう感じたのは、どの部分だろう」と戻ってみます。

人に伝えるときも、「誰でもこちらを好きになるはず」と広げず、「私はこの部分が気になった」と範囲を小さくします。自分の楽しみを説明することと、相手を同じ好みに変えることは別だからです。

相手の「違うところが好き」を聞く

カップの気に入った点を友人に話し、相手の見方を聞く会話のイメージ。
AI生成の研修・学習イメージです。実在の人物・施設・実際の研修を撮影した写真ではありません。

せっかく説明したのに、相手は別の部分に魅力を感じている。そこで、自分の説明が失敗したと考えなくても構いません。同じものを見ながら、違うところに気づいている。その違いも、会話から持ち帰れるものです。

「どこを見て、そう思ったのですか」と尋ね、相手が話し終えるまで待ってみます。自分の知っている情報を追加したくなっても、まず相手の見方を受け取る。詳しい人ほど、相手の発見を先回りして説明しすぎないことが大切です。

先生や保護者が子どもの好きなことを聞く場面でも、すぐに「それなら、この仕事を目指したら」と結論へ進めなくてよいでしょう。本人が何を面白がっているのかを聞く時間と、将来の選択を考える時間は、分けられます。

説明できなかった一つを、調べる

器について本を開き、自分の疑問を調べる学びのイメージ。
AI生成の研修・学習イメージです。実在の人物・施設・実際の研修を撮影した写真ではありません。

会話の途中で、「どうしてこうなるのだろう」と止まったら、そこを次の小さな問いにします。例えば、器の表面の違いが気になったなら、色だけでなく素材や作り方を調べてみる。知らない言葉が出てきたら、一度に全部覚えようとせず、気になった一語から始めます。

調べたことと、自分の感想は分けて残します。「作り手の説明では、この工程がある」「自分は、この部分を温かく感じた」。二つを混ぜないことで、相手へ伝えるときも、確かめた事実と感じたことを区別できます。

調べる場所は、インターネットだけではありません。文部科学省は、図書館、公民館、博物館などを身近な学びの場として紹介しています。地域の図書館で関連本を探す、施設の公式案内で講座を調べるなど、関心に合う入口を選べます。開催日や参加条件は、それぞれの施設で確認してください。

誰かに話さない日があってもいい

好きなことを必ず発表したり、毎日記録したりする必要はありません。一人で楽しみたい日も、理由を説明したくないこともあります。言葉にする方法は、楽しみを守りながら使う道具の一つです。

今日は誰かに話す代わりに、「気になったところ」「まだ分からないこと」を一つずつ書くだけでもよいでしょう。次に同じものを見るとき、少し違うところへ目が向くかもしれません。続かなかった日を失敗に数えず、また気になったときに戻れる形にしておきます。

好きなことが、すぐに得意なことや仕事につながらなくても構いません。楽しさの理由を知る。相手の見方を知る。自分がまだ知らないことに出会う。その一つひとつが、日常の中に置ける学びです。

今日、何かを「いいな」と感じたら、いつもの言葉に一つだけ足してみてください。「どのところが、よかったのだろう」。その答えは、ほかの誰かと同じでなくて大丈夫です。

学校や職場で「相手の話を聞き、気づきを言葉にする」活動を取り入れたい場合は、社内・教育現場で使えるコミュニケーションゲームの具体例も参考にしてください。研修・講演としての実施をご検討の際は、お問い合わせページから目的・人数・時期など、決まっている範囲でご相談いただけます。


参考:文部科学省「身近にある学びの場にはどのようなものがあるの?」。施設の役割を参照しています。器の場面と問いかけは、本記事のための編集上の提案です。

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